『逝ってしまった君へ』紹介

残されたものたち

あさのますみ『逝ってしまった君へ』

声優であり、執筆業でも活躍するあさのますみ(浅野真澄)さんがインターネットにあげたnoteが反響を呼び、この本が出版されることとなりましたので、先にそちらのリンクを貼ります。

https://note.com/masumi_asano/n/n95144b278212

君への手紙として、君への想いと、君が亡くなってしまった後に何が起こったのかが赤裸々に語られています。

苦しみ、喪失感、悲しみと共に、楽しかったころの思い出がよみがえり、君への想いがあふれ出す。

特に印象に残ったのが、記憶を自分のいい方へ美化しようとして留まった場面です。

普通ならどんどん記憶が薄れ、自分が作り出した偽の思い出に浸るのが人間です。

そこで自分を律することのできるあさのさんは強いと思いました。

精神疾患持ち目線として

私は双極性障害を患っています。

亡くなることはありませんでしたが、未遂も犯しました。

「死にたい」という気持ちはいつでもあります。

病状の悪化は人それぞれで、こちらの本の中での君のように仕事で病む人もいます。

私は創作ができなくなったことで病状が悪化しました。

あるいは逆だったかも。

自殺の衝動は急に来ます。

「死にたい」と思った瞬間にはもう亡くなっていることも。

精神疾患は放ってはいけないのです。

本の中で君が薬に抵抗を示す場面がありました。

今は薬も副作用の少ないものも出ているので、薬物療法も危険とは言えないのです。

感想として、私がもしあのとき亡くなっていたら、家族は、友達はどう思うのか、少しこの本から分かった気がします。

気がしているだけで、本当なんて誰にも分らないのでしょうけど……。

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