『アイスクリームフィーバー』感想

感想

あらすじ

美大を卒業した常田菜摘(吉岡里帆)はデザイン会社を辞め、アイスクリーム屋で働いている。

夢破れた菜摘の前に現れたのは作家の橋本佐保(モトーラ世里奈)。

佐保に運命的なものを感じた菜摘。

一方、高嶋優(松本まりか)の元に姪が転がり込んできて、父親を捜すと言い出し……。

感想

とにかく佐保がズルい女ということを最初に言っておかなければなりません。

貴子(詩羽(水曜日のカンパネラ))と話した時期は不明ですが、「菜摘にとって一夏の夕立のような存在になりたい」と言っています。

忘れてしまう、一瞬の嵐。

それって、ズルくないですか?

その人をめちゃくちゃにした後、その中に自分を残してくれないんですよ。

思い出として消化もさせてくれなくて、全くいなくなってしまう。

ズルいですよ。

しかし、物語は佐保の想い通りには進んでくれません。

佐保が消えた後、菜摘はデザイン会社には行かずにアイスクリーム屋さんに残ります。

まるで、佐保がまた「イタリアンミルクとペパーミントスプラッシュ、コーンで」と言いに来るのを待っているが如く。

佐保が住んでいたアパートを訪れたり、「(アイスクリームは)冷たくて、そして甘い」と言われたときも佐保を思い出しています。

忘れられていないです。

そして、佐保が元住んでいて、優も住んでいたアパートに届けられた佐保の荷物。

黒い蝶の天井飾りですが、それが回りまわって菜摘のところに来ます。

それをアイスクリーム屋さんに飾るのですが、元は佐保の持ち物になるはずだったものが菜摘のものになりました。

佐保の部屋で出会った黒い蝶は佐保(いつも黒い服を着ている)の魂だと思っています。

だから、佐保本人はいなくとも、アイスクリーム屋にいればいつでも佐保と一緒にいられるのです。

忘れられてない。

佐保の話に戻ります。

佐保は佐保で策士、策に溺れるではないですが、菜摘にとっての夕立になるはずだったのに、自分で沼にハマりました。

それが佐保が消えてしまった理由です。

思ったより、菜摘のことが好きだな? となり、怖くなったのだと思います。

佐保はどこか掴めない性格をしていて、どこかへ飛んで行ってしまいそうな子です。

菜摘という存在は佐保にとってイレギュラーだった、初めて会った部類の人間だったのではないでしょうか。

それどころか、恋をしたことがなかったのではないでしょうか。

作家として一作目は想像で恋を書けたものの、恋をしたことがないからネタに詰まって二作目が書けなかったのではないでしょうか。

様々な憶測ができますが、とにかく佐保は菜摘にがっつりと惚れてしまったのです。

その想いを綴ったのが、最後に出てきた『百万年きみをあいす』だったのです。

高嶋家の話

高嶋家の話は好きという目線で話しますが、姉妹愛が叔母姪愛に引き継がれたことに感動しました。

あと、愛(優の姉)が亡くなったときの式で、美和をアイスを持って追う優が好きです。

男を取られ、あんなに憎いと思っていた愛と娘の美和。

憎いと思っていた姪を大好きなアイスを持って、励まそうとしたのです。

まとめ

貴子について触れられませんでしたが、貴子の話をするだけで凄いボリュームの話ができると思います。

Blu-rayが発売されたときに宣伝として、また『アイスクリームフィーバー』の話をします。

主題歌とサントラがとても良かったので、ぜひ、聞いてみてください。

主題歌『氷菓子』ストリーミングサービス
https://jvcmusic.lnk.to/yoshizawakayoko_korigashi

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